Bitcoin

暗号資産取引所のビットコイン残高と価格の関係性-最新動向から読み解く供給ショックの行方

ビットコイン

この記事では、最新のデータと動向をもとに、取引所のビットコイン残高と価格の関係性を分かりやすく解説していきます。取引所のビットコイン残高と価格には需給バランスの原則から非常に深い関係があります。この関係性を知ることで、今後の相場の見通しをより深く読み解けるようになるでしょう。

なぜ取引所のビットコイン残高は価格に影響するのか?

ビットコインの価格は、需要と供給のバランスで決まります。その中で注目すべきなのが、暗号資産取引所に保管されているビットコインの残高です。

取引所の残高が減るということは、投資家や企業、政府がビットコインを取引所から引き出し、コールドウォレットなどで長期保管していることを意味します。

つまり、市場で売買される現物ビットコインの供給量が減り、価格上昇の圧力(供給ショック)がかかるのです。

最新データ:取引所残高は過去最低水準へ

2025年7月時点で、

  • 取引所全体に保管されているビットコインは総供給量の14〜15%にとどまり、
  • 数量ベースではおよそ260万BTCから200万BTC台まで減少しました。
    これは、2018年以来の低水準です。

さらにOTC(相対取引)市場の残高も前年比21%減少しており、現物ビットコインの流動性は歴史的にタイトな状況にあります。

取引所残高と価格の相関関係

取引所残高の減少とビットコイン価格の推移を振り返ると、

  • 2022年:取引所残高の減少が始まり、BTC価格は約2万ドル台
  • 2023年:機関投資家の蓄積とともに取引所残高が減り、BTC価格は5万ドル台へ
  • 2024年:ETF承認・企業の準備金需要で残高減少が加速、BTC価格は8〜10万ドル台へ
  • 2025年:現在価格は10万〜11万ドル前後で推移

取引所残高の減少と価格の上昇は、明確な相関が見られます。これは供給ショックが実際に価格を押し上げてきた証拠といえるでしょう。

最新動向:機関・国による蓄積の強化

ビットコイン残高が減っている背景には、以下の動きがあります。

✅ 機関投資家・企業の動き

  • MicroStrategyをはじめ、米上場企業やグローバル企業が積極的にビットコインを国庫や準備金として蓄積。
  • ETF(現物ビットコインETF)の普及により、さらに現物需要が強化されています。

✅ 国レベルの戦略

  • 米国の一部州(テキサスなど)がビットコインを州の準備資産として保有開始。
  • エルサルバドルやブータンなどの国が国家戦略としてビットコインを蓄積。

これらの動きが取引所からのビットコイン引き出しを加速させ、流通量の減少に拍車をかけています。

短期リスクと注意点

中長期的には供給ショックによる価格上昇が期待されますが、以下のような短期的リスクもあります。

  • ビットコイン価格が急騰した際、短期投資家が利益確定売りを行い、一時的に取引所残高が増える可能性
  • マクロ経済要因(金利動向、規制強化、ETFの資金流入の鈍化)が需給バランスに影響を及ぼすリスク

そのため、短期のレンジ相場(調整局面)も視野に入れておく必要があります。

まとめ

暗号資産取引所のビットコイン残高と価格の関係は、今後も価格の重要な先行指標であり続けるでしょう。

特に現在のような低残高水準では、供給ショックによる価格上昇の余地は大きいと考えられます。

ただし、短期的には市場の過熱感や外部要因に左右される可能性もあるため

取引所残高の推移、機関・国の動向、ETFの資金フローを継続的にチェックすることが重要です。

ABOUT ME
Shota
Shota
2017年末から暗号資産に投資してます。 ビットコインを始め、アルトコインについても情報発信していきますので、よろしくお願いします。