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ビットコインカンファレンス2025 in マイアミ:世界最大級暗号資産イベントレポート

ビットコインカンファレンス

2025年5月27日から29日にかけて、米国ラスベガスのヴェネチアン・コンベンションセンターで開催された「Bitcoin 2025」は、世界最大級のビットコイン専門カンファレンスとして、約3万人の参加者と400人以上のスピーカーを迎え、大きな注目を集めました。

ビットコインカンファレンスとは?

「Bitcoin Conference」は、毎年開催される世界最大級のビットコイン専門イベントで、初回は2019年に開催。近年ではマイアミやロサンゼルスなどで実施され、参加者数は2万人を超える規模に成長しています。

特徴は以下の通り

  • ビットコインに特化した構成(他の暗号資産は対象外)
  • 世界の著名スピーカーが登壇
  • Lightning Networkなど最新技術の展示
  • NFT、メタバース、Web3との連携にも注目

今年のテーマ:「The Next Chapter」

2025年のテーマは「The Next Chapter(次の章)」。

これは、以下のような背景を受けたテーマです:

  • 2024年4月のビットコイン半減期
  • 世界的なインフレ対応としてのビットコイン注目
  • 米国のスポットETF承認による機関投資家の流入

このように、ビットコインが「実験段階」から「制度的資産」へと移行しているタイミングで開催されたのが今年のカンファレンスです。

注目セッション・登壇者

ジャック・ドーシー(Jack Dorsey / Block Inc.)

ツイッター創業者であり、ビットコイン信者として知られるドーシー氏は、次のように語りました。

「私たちの未来はビットコインにある。政府や中央銀行のコントロールを超えた自由なマネーが、世界中の人々の経済的自由をもたらす」

彼の会社「Block」は、ハードウェアウォレットや分散型取引所開発に注力しており、具体的な事業展開も披露。

サイファーパンクによるパネルディスカッション

  • プライバシー重視の開発者グループ「Cypherpunks」
  • トピック:「サーベイランス社会とビットコインの役割」
  • 結論:KYC強化の流れに対抗しつつも、現実的な採用には妥協が必要という見解

Lightning Network Showcase

  • ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するLightning Network
  • 新しいPOSアプリやモバイルウォレットが多数発表
  • エルサルバドル政府関係者も登壇し、現地での活用例を紹介

展示エリアとコミュニティの盛り上がり

会場では多種多様なプロジェクトや企業がブースを展開。

  • ハードウェアウォレット(Coldcard、Trezor、Bitboxなど)
  • ノード構築セット(Umbrel、Start9など)
  • ビットコインで買えるアイスクリーム屋さんやコーヒースタンドも人気

参加者同士の交流も活発で、「Twitterで見てた人と直接会える」体験に感動する声も。

その他の主な登壇者

  • パオロ・アルドイノ(Tether CEO):世界最大のステーブルコイン「USDT」の今後の展望と規制対応について講演。
  • ピーター・シフ(経済アナリスト):ビットコインと金の比較を通じて、資産保全の観点からの分析を提供。

 

また、ビットコインのNFT技術「Ordinals」や、分散型アプリケーションの開発を支援する新たなツールの発表も行われ、技術革新の最前線が紹介されました。

政治とビットコイン:ホワイトハウスの強力な支援

本カンファレンスの最大のハイライトは、米国副大統領JD・ヴァンス氏の基調講演でした。

「トランプ政権のもと、ついにホワイトハウスに暗号資産の擁護者が誕生した」

とヴァンス氏は力強く宣言し、暗号資産業界への全面的な支持を表明しました。

ヴァンス氏は、暗号資産がインフレや政策の失敗に対するヘッジとなり得ると述べ、個人的にもビットコインに投資していることを明かしました。

また、安定したドル連動型ステーブルコインの法整備を進める「Genius Act」への支持を表明し、業界にとっての明確な規制枠組みの必要性を強調しました。

トランプ家の暗号資産への関与

ドナルド・トランプ前大統領の息子であるエリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏も登壇し、従来の金融機関からの融資拒否を受けて暗号資産に注目するようになった経緯を語りました。

彼らは、伝統的な銀行システムを「信用できない」と批判し、暗号資産が新たな金融の道を開く可能性を強調しました。

さらに、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループが25億ドルのビットコイン投資計画を発表し、トランプ家が暗号資産業界に深く関与していることが明らかになりました。

市場の反応と今後の展望

カンファレンス期間中、ビットコイン価格は一時的に2.2%下落し、107,800ドルとなりました。

他の主要な暗号資産も同様に下落傾向を示し、市場全体の反応は限定的でした。

しかし、政治的な支援や大規模な投資計画の発表により、長期的な成長への期待が高まっています。

ビットコインの今後と課題

注目ポイント

  • 価格の安定性:ETFの影響でボラティリティはやや緩和
  • 規制の動向:世界各国で規制議論が加速
  • 技術革新:Ordinals(ビットコイン上のNFT)やL2拡張も成長中

課題

  • 環境問題(マイニングのエネルギー消費)
  • 一般ユーザーの利用体験(UX)の改善
  • プライバシーとKYCのジレンマ

まとめ

「Bitcoin 2025」は、ただのテックイベントではなく、「マネーの未来」を真剣に語る場でした。ブームから真の実用へと進化しつつあるビットコイン。2025年はその転換点の一つになる年かもしれません。

このカンファレンスの熱気と議論が、世界中の「ビットコインと未来を信じる人々」にとって、重要な指針となることは間違いありません。

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Shota
Shota
2017年末から暗号資産に投資してます。 ビットコインを始め、アルトコインについても情報発信していきますので、よろしくお願いします。