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アメリカが始動「Project Crypto」の全貌とは

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2025年7月、アメリカ証券取引委員会(SEC)が発表した「Project Crypto(プロジェクト・クリプト)」は、暗号資産と伝統金融を融合させる歴史的な取り組みとして注目を集めています。これは単なる規制改革ではなく、米国がブロックチェーンを活用した「オンチェーン金融」時代への本格的なシフトを宣言したものです。この記事では、同プロジェクトの背景、狙い、構成要素、そして業界に与える影響を詳しく解説していきます。

🇺🇸 Project Cryptoとは何か?

2025年7月31日、SECのポール・アトキンス委員長が、米国のデジタル資産産業を革新するための新たな機運「Project Crypto」を正式発表しました。このイニシアティブは、SEC内部で推進される包括的なプログラムであり、金融市場の「オンチェーン移行」を加速させることが目的です。

🧭 背景と政策との連動

このプロジェクトは、2025年7月に公表されたホワイトハウスの160ページにも及ぶデジタル資産に関する政策提言報告を踏まえたものです。「米国を暗号資産の世界的中心地にする」というトランプ政権のビジョンと連動しており、ネットワークと規制の整備に重点を置く流れの一端を担っています。

✅ 主な狙いと主要コンポーネント

  1. トークンの法律分類を明確化
    証券か商品か、あるいはその他か――各種トークンの法的ステータスを明らかにすることで、事業者が安心して開発・提供を行える環境を作ります。
  2. ICOやトークン化証券の実現促進
    国内でのICO実行や証券トークンを発行する道筋を整え、資金調達の柔軟性を高めます。
  3. デジタル資産サービスを統合する「スーパーアプリ」構想
    証券・ブローカー・ステーキング・取引などを一体的に扱うワンライセンス型のサービスプラットフォームを推進します。
  4. DeFiを伝統金融と融合
    分散型金融サービス(DeFi)やトークン化された証券を既存の資本市場へ統合するルールを整備します。
  5. 投資家保護と最低限の規制のバランス設計
    過剰なルールではなく「必要最小限の効果的規制」で、イノベーションと安全性を両立します。

🚀 この政策がもたらすインパクト

  • 海外からの企業呼び戻しとイノベーションの活性化
    これまで海外へ流出していた暗号資産企業が、米国内に回帰する動きが期待されています。
  • 資本市場のトークン化と効率向上
    証券や債券などの資産がブロックチェーン上で取引されるようになり、透明性や取引スピードが強化されます。
  • 政策の一貫性向上
    SECによる「Project Crypto」は、すでに進行中のCLARITY法やGENIUS法と連携し、法整備と制度運用の両面で整合性を図る流れです。

🧠 批判的な視点や懸念点

  • 業界偏重の政治的意図
    一部では、トランプ氏や暗号業界関係者が主導している点について、「業界利益優先」「利益相反」の懸念が示されています。
  • 規制環境の急変に伴う混乱のリスク
    規制の緩和・明確化は歓迎されますが、移行期においては制度整備中の混乱や不確実性も残る可能性があります。

✍️ まとめ:アメリカの“オンチェーン金融”への本気宣言

Project Cryptoは、SECを中心に、米国が金融インフラそのものをブロックチェーン化する構想であり、国家規模で「デジタル資産の民主化」と「グローバルな金融中心地化」を目指す、大きな政策転換の起点とも言えます。

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Shota
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2017年末から暗号資産に投資してます。 ビットコインを始め、アルトコインについても情報発信していきますので、よろしくお願いします。