イーロン・マスク氏は、暗号資産(仮想通貨)市場において最も影響力のある人物の一人です。彼の発言や行動は、ビットコインやドージコインなどの価格変動に直接的な影響を与えてきました。2025年6月現在、マスク氏の暗号資産との関わりは、個人の投資から政府機関の運営、さらにはSNSプラットフォームの機能拡張にまで及んでいます。
イーロン・マスク氏と暗号資産の関係:2025年最新動向
保有する暗号資産とその影響力
マスク氏は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ドージコイン(DOGE)を保有していることを公言しています。特にドージコインに対しては、「庶民のための暗号資産」として強い支持を示し、テスラ製品の購入にDOGEを受け入れるなどの取り組みを行ってきました。
また、2021年にはテスラ社が15億ドル相当のビットコインを購入し、一時は約4万2千BTCを保有していましたが、環境への懸念からビットコイン決済を一時中止し、一部保有を売却しました。
政府機関「D.O.G.E.」の運営と退任
2025年初頭、マスク氏はトランプ政権下で設立された「政府効率化省(Department of Government Efficiency、略称D.O.G.E.)」の長官に就任しました。この機関は、連邦政府の支出削減を目的としており、マスク氏は外国援助の削減や連邦職員の大量解雇などの改革を推進しました。しかし、これらの施策は労働組合や民主党からの反発を招き、テスラ製品のボイコット運動が発生するなどの影響がありました。
マスク氏は130日間の任期を終えた後、D.O.G.E.の長官を退任しましたが、今後もアドバイザーとして関与を続ける意向を示しています。
SNSプラットフォーム「X」と暗号資産の融合
マスク氏が所有するSNSプラットフォーム「X(旧Twitter)」では、暗号資産技術を活用した新機能「XChat」が導入されました。この機能は、ビットコインのプロトコルを参考にしたエンドツーエンド暗号化、消失メッセージ、音声・ビデオ通話、ファイル共有などを備えており、ユーザーのプライバシー保護を強化しています。
また、マスク氏は「X」を「すべてを網羅するアプリ(everything app)」に進化させる構想を持っており、将来的には暗号資産を活用した決済機能「X Money」の導入も検討されています。
まとめ:マスク氏の暗号資産への影響と今後の展望
イーロン・マスク氏は、個人投資家としてだけでなく、企業経営者、政府機関の長官、SNSプラットフォームのオーナーとして、暗号資産市場に多大な影響を与えてきました。彼の発言や行動は、暗号資産の価格変動や市場の動向に直結しており、今後もその影響力は続くと考えられます。
特に、ドージコインに対する支持や、SNSプラットフォーム「X」での暗号資産技術の導入など、マスク氏の取り組みは、暗号資産の普及と実用化に向けた重要な一歩となっています。今後も彼の動向から目が離せません。